◆膝に水がたまるかたに その原因は・・・!
膝に水がたまる原因には、次の二通りの場合があります。
- 炎症がある
- 半月板や関節軟骨に損傷がある
まず、膝の水を抜いてもらったときに、その色や量、濁り具合をよくみておきましょう。
おおまかにいって、抜いた膝の水が濁りが強い(白血球が多い)ほど、炎症が強いといえます。
通常、膝に2〜3mlのわずかな水があり、黄褐色透明でなめこのヌメリのようにとろーっとした粘り気があります。ヒアルロン酸が主成分になっており、潤滑剤の役目をしています。それに対して、たまった膝の水は粘り気のない水です。時に、抜いてみると膝の水だけではなく、血液だったりすることもあります。
◆膝の水は抜いたほうがよいのか?
抜いた膝の水で何がわかるのか?
膝に水がたまっているかたで、つっぱって、曲げられないときは、一度膝の水は抜いたほうが良いでしょう。
同時に、私たち膝関節症・リウマチ専門医にとって、抜いた膝の水の色、濁り、さらに成分分析や細菌培養の結果を見ることが、診断や今後の治療方針を決める上で貴重な情報を与えてくれます。
ただし、漫然と何度も膝の水を抜くようなことは、私は決してしません。
抜いた膝の水の性状をみて、感染が否定されれば、即座に同じ針から炎症を抑える薬剤(ごく少量のステロイド剤 ケナコルト40mg)を注入します。
◆膝の水は抜くと、クセになるのか?
膝の水を抜くと、クセになるのか・・・
繰り返す膝の水の原因は、以下のようになります。
- 膝の水の原因となる炎症を治癒せずに、何度も膝の水を抜いているケースがあるため、クセになると勘違いされるのでしょう!
炎症を抑えるステロイド剤を一度注入することで、再度抜くほど水がたまることは大部分なくなります。
また、膝に水がたまっているような場合では、ヒアルロン酸(潤滑剤:アルツ・スベニールなど)単独の注入では効果が期待できません。
◆膝の水の再発 隠れリウマチに注意!
一度、膝の水を抜いて、ステロイド剤を注入しても、また再発を繰り返すようであれば、リウマチ:RA、痛風、偽痛風などの疾患を考える必要があります。
◆1回の正しい関節注射でも膝の水を繰り返す場合
さらに、血液検査でリウマチなどが否定された場合、私は通常の消炎鎮痛剤、グルコサミン・コンドロイチンに加えて、漢方薬で防己黄耆湯という薬剤をよく使用します。また、その他の頻度の低い疾患を鑑別するためにMRIを撮ります。骨壊死、PVSなどの腫瘍性疾患、軟骨軟化症、半月板損傷の診断に役立ちます。
