変形性膝関節症・膝関節骨壊死症
専門医による治療最新情報

膝の痛み教室

関節軟骨と半月板と滑液のしくみ

骨のつなぎ目にあるクッションのような関節

関節は、骨と骨のつなぎ目で、人体には約350ヵ所にあります。

つなぎ目の構造

私たちが体を自在に曲げ伸ばしできるのは、このおかげです。

硬い骨同士が直接ぶつからないように、骨と骨が接する部分は、クッションの役割を果たす関節軟骨で覆われています。この軟骨の表面は非常に滑らかなため、腕や足などをスムーズに動かすことができます。

つなぎ目全体は関節包という袋状の組織に包まれています。この関節包の内側には滑膜があり、関節が動くときに潤滑油の役割を果たす滑液を分泌しています。(図2)

滑らかに動くのは、保水力のおかげ

関節軟骨はおもに、プロテオグリカンとII型コラーゲン、軟骨細胞からできています。軟骨細胞の周囲に、網膜状のII型コラーゲンや水分を多量に含むプロテオグリカンが存在します。

関節軟骨の構造

プロテオグリカンは、ネバネバしたムコ多糖類のコンドロイチンにたんぱく質が結合したものです。コンドロイチンがスポンジの役割を果たし、滑液を十分に蓄えることにより、関節が滑らかに動くことを可能にしています(図3)。

膝関節が痛む原因は

長年の負担でクッションは磨耗します

トラブルは手指、肘、腰、膝などに現れ、特に膝に多く見られます。

立つ、座る、歩くなど、日常の動作で膝は休むことなく働いています。また、歩行時には体重の2~3倍の荷重がかかるなど、体重による負担も大きいのです。

こうした負担が長年積み重ねることにより、タイヤがすり減るように、関節軟骨がすり減っていきます。

すると、関節軟骨のクッションが弱まるため、膝を動かしたときに違和感や痛みを感じるようになります。

こうして進む 膝のトラブル

動き始めの違和感は要注意!

動き始め

トラブルの多くは、関節軟骨の摩耗による「変形性膝関節症」という疾患です。

変形性膝関節症は、いきなり激痛が走るわけではなく、気づかないうちに少しずつ進行します。最初に症状がでるのは、「動き始め」。

たとえば、朝、目覚めて起きあがるときや、長時間座っていて歩き始めるときなどに、違和感や痛みを生じます。

症状が進むと、骨の端のほうにトゲ状の骨棘(こっきょく)が生じたり、関節軟骨がはがれ落ちて骨がむき出しになる部分が出てきて、骨と骨の間が狭まっていきます。

さらに、骨同士が直接ぶつかり合うようになり、痛みも激しく、膝の曲げ伸ばしにも支障が生じます。見た目にも関節の変形がわかるほどになり手術が必要になる場合もあります。

半月板の損傷 MMPRTの紹介

MMPRTは半月板後角付着部付近の横断裂、または根部の靱帯部分での引き抜き損傷です。
(下図の赤丸の部分の半月板)

MM = Medial Meniscus(内側半月板)

PRT =Posterior Root Tear(後角損傷)

半月板の解剖

MMPRTはどういう人がなりやすい?

女性に多く、年齢層は50-75歳に多い。

どんな動作でなりやすい?

自転車に乗ろうとして踏ん張る

低い段差を上る etc…

◎軽度膝屈曲位で軸圧がかかった際に発症することが多い

◎膝窩部の痛みを伴うキクッとした1回のエピソードは後角損傷を強く疑わせる症候である

MRI画像で確認すると

60代の女性で左膝痛 屈曲時に膝の裏の痛みがある 過去に転倒などで左膝を痛めたことがある

図1 冠状断像の内側半月板部分(矢印の部分)が上下の骨のラインより外に出ている

図2 冠状断像で後角部半月板(矢印の白い部分)が途絶しているように見える

図3 矢状断像 冠状断像の白い部分を横からみると、図4の矢印部分のような黒く写る半月板が描出されない(white meniscus sign, meniscus ghost sign)

図4 同じ年齢、同じ左膝の正常な半月板 矢印の黒い部分が描出されている

参考MRI画像