◆知っておこう!関節の仕組み
●骨のつなぎ目にあるクッションのような関節
関節は、骨と骨のつなぎ目で、人体には約350ヵ所にあります。
私たちが体を自在に曲げ伸ばしできるのは、このおかげです。
硬い骨同士が直接ぶつからないように、骨と骨が接する部分は、クッションの役割を果たす関節軟骨で覆われています。この軟骨の表面は非常に滑らかなため、腕や足などをスムーズに動かすことができます。
つなぎ目全体は関節包という袋状の組織に包まれています。この関節包の内側には滑膜があり、関節が動くときに潤滑油の役割を果たす滑液を分泌しています。(図2)
●滑らかに動くのは、保水力のおかげ
関節軟骨はおもに、プロテオグリカンとII型コラーゲン、軟骨細胞からできています。軟骨細胞の周囲に網膜状のII型コラーゲンや水分を多量に含むプロテオグリカンが存在します。
プロテオグリカンは、ネバネバしたムコ多糖類のコンドロイチンにたんぱく質が結合したものです。コンドロイチンがスポンジの役割を果たし、滑液を十分に蓄えることにより、関節が滑らかに動くことを可能にしています(図3)。
◆膝の痛みと膝におきるトラブル
●長年の負担でクッションは磨耗します
トラブルは手指、肘、腰、膝などに現れ、特に膝に多く見られます。
立つ、座る、歩くなど、日常の動作で膝は休むことなく働いています。また、歩行時には体重の2〜3倍の荷重がかかるなど、体重による負担も大きいです。
こうした負担が長年積み重ねることにより、タイヤがすり減るように、関節軟骨がすり減っていきます。
すると、関節軟骨のクッションが弱まるため、膝を動かしたときに違和感や痛みを感じるようになります。
●動き始めの違和感は要注意!
トラブルの多くは、関節軟骨の摩耗による「変形性膝関節症」という疾患です。
変形性膝関節症は、いきなり激痛が走るわけではなく、気づかないうちに少しずつ進行します。最初に症状がでるのは、「動き始め」。
たとえば、朝、目覚めて起きあがるときや、長時間座っていて歩き始めるときなどに、違和感や痛みを生じます。
症状が進むと、骨の端のほうにトゲ状の骨棘(こっきょく)が生じたり、関節軟骨がはがれ落ちて骨がむき出しになる部分が出てきて、骨と骨の間が狭まっていきます。
さらに、骨同士が直接ぶつかり合うようになり、痛みも激しく、膝の曲げ伸ばしにも支障が生じます。見た目にも関節の変形がわかるほどになり、手術が必要になる場合もあります。
